子宝ヨガ、そのハードル

ヨガ不妊症に効くというけど・・・ヨガスタジオに行ってみたけど私にはついていけそうにない、みんなヨガに夢中な人たちばっかりで退いちゃう・・・ヨガの何が妊娠に効果的なのかがよくわからない・・・そういう不安から、ヨガはまだ、十分にその効果を実感してもらってはいないと思います。 

なぜなら日本には、まだ、そのような方々が安心して通える 
  • 子宝のためのヨガクラス 
  • 男性のための子宝ヨガクラス 
という教室が数えるほどしか存在しないからなのです。 

日本のヨガ界は、ヨガの先生やヨガの愛好家たちが牽引している世界ですが、北米ではNIH(国家保健機構)が中心となり「ヨガセラピー」という学問領域が、ヨガの持つ補完・代替医療としての可能性の研究、検証発表に日々取り組んでいます。 

10/24,25に日本育児支援協会様のご協力のもと開講する「子宝ヨガ指導者育成コース」も2009年の国際ヨガセラピスト学会において学ばれきたものがベースとなっていますが、未妊に限らず、ヨガによって副作用の無い症状改善を期待できる「未病」の患者さんが日本にもたくさんいます。 ヨガのよさを十分に学んできた私たちがこのような患者さんたちに、ヨガ界の内輪の言葉ではなく、誰にでも分かる平易な言葉でヨガを紹介し、ヨガへの入り口に誘ってあげることからはじめて行けたらと思います。

子宝ヨガは、特殊な流派でも、行法でもありません。未妊の方々の心と身体の状態を妊娠しやすい状態にいざなうための、初心者向けのヨガのポーズや呼吸法が中心となります。だからこそ、未任の状態にある方々の心と身体の状態、傾向の理解に努めることなくして、原因と考えられる身体のくせにアプローチしていくことは難しいのです。 

また、私たちはどうしても、自分たちが普段当たり前のようにできるポーズを教えようとしてしまいがちです。しかし、未妊の状態でヨガ教室のドアをたたく患者様は、ほとんどがヨガに対して初心者です。初心者の人がどうやったらヨガに偏見や先入観を持つこと無く、安心して取り組み続けることが出来るか、ということも考えていく必要があります。 

ヨガを学んできた私たちにとって、ヨガスートラや八支則やアーサナの達成はとても崇高なものです。しかし、目の前の未妊という状態に心悩ますクライアントたちにとっては、心と身体のレスキューが何よりの急務です。そのような概念まで、詰め込まれる余裕がありません。 ヨガは単なる体操ではなく、呼吸と動きを連動させ、さらにそこに心の平安に向けたメッセージを乗せた楽しみです。ですから、ヨガを楽しむときのエッセンスを、ごく普通の人たちが普通の言葉で共有できるような問いかけをしながら、クラスを進めていくことも大切です。 

また、ヨガセラピーは治療である以上、決してクライアントさんたちの心と身体に無理があってはいけません。ヨガでは無理をしない、自分のペースで、といくら言ったところで、まじめな日本の生徒さんたちは、まじめな故に知らず知らずのうちに無理をし、先生と同じポーズをとることに夢中になってしまいます。 ヨガを楽しむ上で、気をつけるべき7つのポイントをクラスの中で、生徒さんたちとの共通認識に高めていくことができれば、その人にとって難しいポーズは簡略化したポーズで置き換えるという判断も下せるようになってくるはずです。 

肩に力が入り、呼吸もそこそこにしかできないぐらいきついポーズをいくらとったところで、ヨガが本来持つ効能を十分に享受することはできません。いわゆるポーズの完成形、と言われるところを目指し、楽に呼吸を楽しめないのであれば、あるいは顔から笑顔が消えてしまうのであれば、ポーズの難易度を半分まで落とし、そこで自分が最大限に味わえる気持ちいい呼吸と、優しい微笑みでヨガを楽しんだ方がよっぽど充実した時間を送ることができます。 

そのためにも、子宝ヨガを始めとする「セラピー:治療」としてのヨガの指導者には、指導ではなくむしろ「理解」「受容」「誘因」という視点が求められます。 また、不妊治療は出口が見えないトンネルと言われるほど、当事者の方々にとってはとても不安でストレスがたまり、そして「赤ちゃん」という言葉にすらとても敏感になっています。そういう事情に対し理解に努めようとすることも大切です。夫婦間の問題で悩まれているカップルも相談にくることでしょう。  

不妊という、とてもデリケートなテーマに対し、ヨガが何ができて何ができないのか。
そして、できることをちょうどいいほどの大きさの声で伝えていくにはどうしたらいいのか、これには答えがありませんが、随時開講しておりますワークショップがみんなで考える場になればと思います。認定証を日本育児支援協会から発行いただける、10月24,25日のワークショップは残りわずかとなりましたが、この分野に興味をお持ちいただけるヨガの先生方、個人やグループ講習も行っておりますので、お問い合わせください。ヨガが授かり待ちにいいらしい、という期待を胸にヨガスタジオの扉をたたく生徒さんに、優しいヨガをお伝えいただける先生に、北米ですでにはじまっている「授かり待ち治療への取り組みとしてのヨガ」をお伝えし、普及にご協力いただけたらと思います。

私の講座は資格ではありませんので、インストラクターとして働かれている方のみならず、ヨガの素晴らしさを誰かに伝えたい、という想いをお持ちの方、これから学んでいこうという方にもご受講いただけたらと思います。本当は、男性の不妊のお悩みに対しカウンセリングを行っていきたいというヨギーの方々をもお待ち申し上げております(私自身もカウンセリングをお受けしております)とても難しいジャンルであることは承知の上ですが、授かり待ちの要因として、日々のストレスに苦しむ男性要因の確率がどんどん上がってきていることも事実ですし、残念なことだと思います。

また、養成講座では男性、女性、初心者、上級者問わず、ヨガを教える際の危険性、安全な指導方法(上述の安全のための7つのルール)について共有させていただければと思います。

高齢者向けのヨガ養成クラスも同じような想いで開講しております。
前回のブログにも書きましたが、先生方のグループ講習にもお伺いさせていただいておりますので、お問い合わせください。

2009.09.28 Monday 21:00 | 子宝ヨガ(不妊治療) | comments(0) | trackbacks(0)

運動をするとBDNF物質が増えて神経細胞の新生に効果的

以前、大きな展示会である健康博に行って驚いたのは「日本の健康って青汁と黒酢のことを言うのね・・」と思ったことがあります。みんなもっと運動で健康になろうよ!と思ったものでした。そこに、朗報、科学的根拠のご紹介です。

人間の神経細胞は大人になってからは新しく生まれ変わることは無いと、長い間考えられていたが、1998年、大人の海馬(*)でも神経細胞が新しくできていることが分かってきました。「神経新生」というこの現象、運動をすると脳の中にBDNF(*)という物質が急に増えることで促進され、学習や記憶の効率を高める作用も確かめられつつあります。
アメリカの高校で、生徒が軽い行動を毎朝行ったところ、健康だけでなく成績向上に目覚ましい効果があったという。日本の子供たちが受験勉強のために運動をやめてしまうことはとてももったいないことなのです。また、運動によって脳が元気になると、感情を作り出す脳神経のつながりも変化します。一方、きつすぎる運動はストレスホルモンが出るので、脳には逆効果とも言われています。

(*)海馬:脳全体から入る刺激を整理し新しい情報と古い情報をつきあわせて記憶にまとめるなど、記憶や学習に中心的な役割を果たす器官。小指ほどの大きさしかない。
(*)BDNF:脳由来神経栄養因子、神経細胞を成長させる栄養。海馬に多く存在する。

漢方も人の健康を総合的な視点で見ていく上で効果的ですが、やはり運動にもっと期待したいものです。シニア・ヨガはとても緩やかで無理なく続けやすい運動です。
2009.09.27 Sunday 19:00 | ヨガと認知症 | comments(0) | trackbacks(0)

漢方と西洋医学の新たな融合〜高齢者のこころとからだ

日曜フォーラム「漢方と西洋医学の新たな融合〜高齢者のこころとからだ〜」 

は大変興味深い内容でした。以下、番組紹介より抜粋

西洋薬だけでは対応しきれていない高齢者の精神症状に対して、最近、漢方薬の効果が注目されている。認知症の周辺症状を軽減し、介護ケアの負担を減らす期待がある。 
漢方は、現代の医療の中にも取り入れられ、その役割が改めて注目されている。最近、さまざまな研究データから、西洋薬だけでは対応しきれていなかった高齢者の精神症状に対し、漢方薬の「抑肝散」や「釣藤散」などの効果が確認されている。

こちらのブログでも、今後漢方に詳しい藤井恭彦ドクターの監修のもと、ヨガと組み合わせて効果が期待できる漢方のお話も綴っていけたらと思います。
2009.09.27 Sunday 18:48 | ヨガと認知症 | comments(0) | trackbacks(0)

認知症に期待;抑肝散や釣藤散〜NHKの番組より

NHKの番組の内容をまとめてみました。

高齢化の生理的特徴は

(1) 減る- 骨量、細胞
(2) 硬くなる - 関節、動脈

(3) 身体を一定に保つ機能の低下:体温、心拍数
(4) 免疫の低下による疾病の慢性化

そして、様々な疾患を身体に抱えるようになると、薬を多種類併用しなくてはならなくなったり、副作用に悩まされたりし始めるのです。それ自体、とても危険なことです。
(私の父も、薬の多種類併用によってびっくりするようなアレルギーに苦しめられました)

アルツハイマー認知症に、現在処方されている西洋薬としては中核症状には塩酸ドネペシル、高血圧治療薬、高血小板薬などがあります。周辺症状には抗うつ薬を始め、漢方薬の効果が注目されています。例えば、西洋薬を使っていた患者さんに抑肝散釣藤散を処方したところ、症状の緩和が見られたほか、微量循環による血流改善が見られたとのことです。

また、高齢者に睡眠薬を処方すると、睡眠には効果があるが筋肉がほぐれやすくなり、夜中に起きたときにふらつきによる転倒で怪我をするケースが増えてきているとのことです。このような方々に睡眠薬の量を減らし抑肝散を処方したところ睡眠の質そのものを改善する効果も見られたとのことです。

漢方では五臓の概念を用いてアプローチします。例えば、「肝」は西洋医学で言うところの肝臓に対応するわけではなく、筋肉の緊張を維持したり、精神活動の安定化をはかったりする役割を担っています。ですので、肝が虚弱になるとイライラしたり、攻撃的になったりするのです。この肝虚には抑肝散釣藤散が効果的だと言われます。また、「腎」ですが、これも西洋医学で言うところの腎臓ではなく集中力の維持や視力、聴力、精神力の活性化に貢献するため、これが衰えると性欲の減退、冷え、いわゆる老化全般と言われる症状が現れてきます。これに効果的なのは八味地黄丸六味丸だと言われています。(詳しくは専門家のアドバイスをご参照ください)

素敵だったのは、高齢者施設でみんなで歌を歌いながら、心を穏やかにしながら認知症の治療に取り組んでいるストーリーでした。ヨガも同じように穏やかな呼吸、穏やかな身体の動きで、血の巡りを改善できます。認知症患者さんの意欲改善のポイントは前頭葉の血流だとのことです。薬だけではなく、適度な刺激によって認知症の症状の改善は期待できる、ということを再認識させていただいた番組でした。


2009.09.27 Sunday 18:24 | ヨガと認知症 | comments(0) | trackbacks(0)

個人・グループ講習承ります

昨日もシニア・ヨガの先生が勉強に来て下さいました。11月から実際にクラスをもたれます。
少しずつですが、椅子を使ったヨガを体験できる環境が広がっていくことで、高齢者の方々が「ヨガって老化防止にいいかも」と思っていただけたらと思います。

10月はちょっと忙しくしていますが、こちらで開催するワークショップの日程があわないため、グループ講習を別日程でお願いします、というお問い合わせにも対応させていただいております。むしろ私より先生方の方がクラスの合間を縫って時間を調整するのが大変かと思いますので、お問い合わせください。実は昨日もお問い合わせをいただき、こうやってお訊ねいただきシニアヨガを学んでいただけますことを本当に嬉しく思っております。

10月前半のスケジュールは埋まってしまい、またヨガの勉強のため12日から21日まで日本を留守にします。ご不便をおかけいたしますが、また11月、12月は精一杯講習につとめますので、ご連絡をいただけるようですと幸いです。
(10/23,24は子宝ヨガ指導者養成、10/31,11/1はリストラティブヨガ指導者養成となります)

2009.09.27 Sunday 17:34 | ワークショップ情報 | comments(0) | trackbacks(0)

ヨギック・アーツとシニアヨガの融合

昨日、シニアヨガを学びにきて下さった先生に、クラス終了後、先生の専門である、ヨギック・アーツを施していただきました。 通っているフィットネスクラブで興味本位で身の程をわきまえずに挑戦したマーシャルアーツの翌日は筋肉痛に泣きましたが、ヨギックアーツを私は誤解していたように思います。タイ・マッサージの要素が含まれていて、とても気持ちがよかったです。シニアヨガとの組み合わせも十分可能です。先生のクラスに新しい世界が開けていくことにわくわくしています。
2009.09.27 Sunday 17:24 | - | comments(0) | trackbacks(0)

温経湯:女性の血流循環UPに

昨日はドクターに漢方のお話を聞いてきました。
血行不良に悩む女性には「温経湯」がおすすめとのことでした。
そして、漢方薬はぜひ「あたためて(つまりお湯などに溶かして)」飲んで下さい。とのことでした。そういう小さいアドバイスがとても参考になりました。

漢方では、血流の異常を”お血”(おけつ)および“血虚”(けっきょ)という概念でとらえます。”お血”は血流停滞、“血虚”は血流不足とみなせます。女性の月経トラブルを含め、いやゆる“血の道症”には、そのような血流異常を改善する方剤が使われます。 その一つが温経湯(ウンケイトウ)です。血液循環をよくして手先のほてりをとる一方、体全体をあたためる作用があります。また、乾燥した皮膚を潤したり、ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。 どちらかというと女性向けで、冷え性で体力があまりなく、皮膚や唇がかさつく人に向きます。具体的には、生理不順や生理痛、更年期障害、頭痛、足腰の冷えや痛み、冷えのぼせ、しもやけ、指掌角皮症(主婦湿疹)などに適応します。また、不妊治療に補助的に用いることもあります。 
2009.09.26 Saturday 16:16 | 漢方のお話 | comments(0) | trackbacks(0)

仙台でのリストラティブ・ヨガ指導者養成講座

仙台でのリストラティブ・ヨガ・ワークショップはとても楽しかったです。いつも小さい私のクラスですが、今回も和気あいあいと始まりました。

緩やかに身体をゆだねながら、私のおなかもゴロゴロゴロ。みんなのおなかもゴロゴロゴロ。大合唱でした。

ケーススタディでは、先生の一人「はい、サンドバッグを置きますね」と言うつもりのところを「はい、砂袋を・・・違った、サンドバック」「砂袋でいいんですよ。ボルスターじゃなくて、硬枕でいいですし」「先生、言わなきゃ分かんないのに・・・」と、シャバアサナどころじゃなくなっちゃったり、
ロールプレイングで患者さんをやっていた先生は「私の足もストラップで縛ってください」と言おうとして「わしを縛ってくれ・・」とおもわず口走ってしまい(先生曰く「私の足と言おうとして、わしと言ってしまった瞬間何かが乗り移ったんです)しばらく、みんなで笑い転げていました。

宿題もいっぱいでしたが、一生懸命取り組んできてくださったので、2日目のグループワークやケーススタディがとても有意義なものになりました。ワークショップが終わる頃には皆さん、きちんと患者さん(生徒さん)をIntake(受け入れる)ながら、クラスを始められるようになりました。テキストも100ページあります。

リストラティブヨガのワークショップではボルスターをお持ち帰りいただいています。他のプロップスは買う機会があっても、なかなか値の張るボルスターまでは買おうという気が起こらないもの。

しかし、このボルスターを一つ持っていれば、学んだ内容をもとにすぐに個人セッションを始めることができます。Easyogaさんの協賛で実現したボルスター付きティーチャートレーニング、東京や地方でも開催していきますので、どうかご参加いただき、この気持ちよさの伝道者になってくださる先生が増えていっていただきたいと思います。

仙台の観音様が夕日に映えた姿はそれはそれは神々しいものでした。
トレーニングの開催予定はブログの続きをご覧ください。
 
2009.09.19 Saturday 18:06 | リストラティブ・ヨガ | comments(0) | trackbacks(0)

信濃町に新クラス:認知症介護の合間にヨガでリラックスしませんか

 先日シニア・ヨガを受講いただいた先生からとても嬉しい感想をいただきました。 (今までもいただいていたのですが、あまり載せる機会が無く申し訳ありませんでした!) 

まさに私が学びたいことを先生が熱心にまた細かく丁寧に必要なことを教えてくださったことにただただ感謝するばかりです。介護施設や、医療現場そして体の不自由なかたとヨガの懸け橋に私がなれればということは本当に私の夢であり又そのような方にとって多分何かしらの扉をひらける力やきっかけになるのではないかと強く感じていました。ヨガが何か氷ついているものをとかしていってくれるものと強く思うのです。又この思いは、もしかしたら母からの体をはったメッセージなのかなと思いながらなにかできないものかとずっと思っていました。(以上抜粋)

辛島先生のご協力を得て、10月より信濃町にて、認知症の介護の方のためのクラスを開講します。おそらく火曜日か水曜日になります。先生はこれまでご実家九州の介護施設で認知症の方向けにヨガのクラスを提供されてきました。東京では訪問してのクラス開講という形で介護施設にアプローチするのに時間がかかります。そこで、「介護をされている方々の心と身体のリラックスを目指すヨガの時間」を提供できたらと思います。

ゆくゆくは認知症の方々とヨガを楽しむ時間を持ちたいとおっしゃっている先生のクラスレポートをご紹介します。

ご覧の通り、参加いただいたほとんどの方は車いすが必要であり、身体を動かすこともままなりません。皆さん、半分寝ています。 そこで、こんなところを工夫してみました。
  • ご老人が疲れない時間の設定(30分) 
  • 誰でもできる動作を組み立てること 
  • とにかく楽しんで参加してもらうこと 
  • でも、始めは一部の方のみしか身体を動かせません。 
しかし、笑いを導入して楽しくやっていると、少しずつですが皆さんの身体が動いてきている。動かそう、動かしたい、という意志が出始めていることが分かると思います。 場の雰囲気も和んできます。施設の職員の方々も驚かれたのですが、特別養護老人ホームの方々はこうした動きをすることが滅多に無いそうです。 
次第に皆さんの動きが大きくなってきていることがわかります。 クラスの雰囲気も本当に明るくなってきました。「笑い声」も聞かれるようになりました。 
ほとんどご自身では身体を動かすことが出来ない方でも、こうして補助を受ければクラスに参加できます。最初の写真と比べて皆さんの表情が格段に和んでいます。 
Yogaは全ての人が楽しむ事が出来るものです。 そして愛情を持って接すれば、大きなエネルギーを作り出すことができます。 それによって『可能性』が『無限』に広がっていきます。(以上抜粋)

辛島先生からは、介護施設で楽しむヨガの経験談なども直接お聞きできる貴重な機会かと思います。信濃町駅から徒歩三分のスタジオです。ぜひ気分転換にクラスを体験しにいらしてください。詳細まとまり次第、またご案内申し上げます。
2009.09.19 Saturday 15:55 | ヨガと認知症 | comments(0) | trackbacks(0)

介護施設で行うヨガ:センサリー・モーター・アネムジアを遅らせよう

介護に携わる方々にヨガを楽しんでいただきたい、と思います。少し専門的なお話を・・

老化のキーワード:センサリーモーターアムネジア
 

私たちの身体の感覚運動システムは常に、日々のストレスやトラウマに反応しながら、筋肉の反 射を起こしています。この反射が繰り返し刺激されることで、筋肉の収縮を習慣化し、意識的に楽にすることができないほどになってしまいます。

この筋肉の収縮があまりにも無意識になってしまうと、最終的には、どうやって楽に動かすことができるのかを忘れてしまいます。その結果、身体は堅くなったり、痛くなったり、運動が制限されてしまいます。この習慣化された状態を、セン サリーモーターアムネジア(sensory-motor amnesia)といって、特定の筋肉群の感覚やコントロー ルの仕方を忘れてしまう、一種の記憶喪失になります。

これが中枢神経系で起こるので、気づかないうちに、非常に重要な部分に影響をおよぼしていることになります。自分自身で身体を動かすイメージや、体験できる能力の大部分が、センサリーモーターアムネジアによって消されてしまいます。そしてこれが原因で、副作用つまり老化が起こり始めるのです。

ですから、認知症になっても身体を楽しく動かす感覚を呼び覚ましていくことは老化を送らせる上で非常に有効です。身体だけを動かそうとしても、なかなか動くものではありません。呼吸に合わせて動かすことで、気持ちよさが甦ってきます。もちろん認知症の方のみならず、介護をされる方々の疲れも癒していけたらと思います。
2009.09.19 Saturday 15:43 | ヨガと認知症 | comments(0) | trackbacks(0)