サイクリングはテニスやゴルフに比べ、関節への衝撃が少ないスポーツです。そのため、サイクリストの不調として最も多いのが筋肉痛です。
脚は同じ動きを繰り返し、太ももからお尻に掛けて筋肉の緊張が続きます。正しい姿勢で自転車に乗っていれば背骨は自然なカーブを描いているはずです。しかし、多くのサイクリストが背骨を丸め過ぎ、サドルや腕に必要以上の負荷をかけてしまっています。これが実は、肩や背中の痛みの原因です。長い時間のサイクリングで、背骨はより丸まっていきます。ですから、時々背骨の自然なカーブを取り戻そうと心がけることがとても大切です。
ここではいつでもできる上半身と下半身のエクササイズを紹介します。自転車に乗る前、自転車に乗った後、あるいは自転車に乗りながらの休憩時間にもできる簡単な動きです。理想をいえば、日常的にこのエクササイズができれば最高です。
手を上げた山のポーズ
まず始めに立ったまま腕を空に向かって上げ、息を大きく吐きながら背骨を気持ちよく伸ばしましょう。この解き肩と背中はリラックスです。
ピラミッドのポーズ
このポーズでは、サドルに座りっぱなしで硬くなったお尻や太股の筋肉を気持ちよくストレッチします。
壁や手すりを探しましょう。壁に向かって脚を前後に開き、前足は正面、後ろ足は軽く外側に開きます。膝を軽く緩めたまま、手は腰にあて、腰から蝶つがいのように前屈します。そのまま壁に手を伸ばし、お尻から太もも、そして体側、腕を伸ばしましょう。息を吸って緩めて、大きく息を吐きながら前屈と伸びを深めます。
仰向けで腿の裏ののストレッチ
これも自転車で酷使する大腿四頭筋、腰からお尻にかけてのいいストレッチです。
タオルやストラップを使うとより効果的に筋肉を伸ばすことができます。
仰向けに寝転んで片足は床、片足は伸ばしたまま空に向けてあげます。タオルを土踏まずに引っかけ、両端を持ったまま旨の方に引き寄せます。腿の裏が気持ちよく伸びるところでやめておきます。引き寄せるときに息を深く吐くのがポイントです。
どのポーズもコツは息を大きく吐きながら動きを深めることです。試しに同じ動作を息を吸いながらやってみるとやりにくいことがわかるはずです。また、ずっと伸びをしたりずっと引っ張り続ける、ということはとても苦しいはずです。ですから、吸って緩めて、吐いて伸びて、呼吸を上手に利用しましょう。