メディカルヨガ 番外編

難病の方でも始められるのがヨガのいいところです。

今年は個人講習の生徒さんの了解を得て、不定愁訴の緩和を目指したヨガのプログラムをご紹介していけたらと思います。 

ヨガで病気は治せない:それでも幸せになれる

最も危惧しているのは、ヨガで病気を治せるという間違った認識として伝わってしまうことです。 ヨガで病気は治せません。でも、夜にぐっすり眠れるようになったり、食事を美味しくしたり、薬の量を減らしたり、辛い治療に頑張って取り組んでみようという意志を高めたりすることはできるかもしれません。 病気を抱えるというストレスで溜め込んでいたものを発散することができるかもしれません。 

一般化できないという大前提:一人一人が遠慮なくできるように

 セラピーとしてのヨガはそもそも「一般化」できないものなのです。 大部屋で私が講師をしながら、このポーズをやって下さいと言っても、ある患者さんは「私にはそれは実はきついのだけれど・・・」と感じているかもしれません。しかも、遠慮してそれを言えないのです。 あるいは、軽い運動をしたいからといってヨガを考えてはみたけど、思うように身体を動かせない自分のことを先生が気遣い、クラス全体に迷惑をかけてしまうのは後ろめたい、と思っているかもしれません。 

軽い運動自体がはらむ難しさ

そもそも、軽い運動という考え方自体が、とても難しいものなのです。 どこまでが軽い運動なのかは人によって異なるからです。たとえば、私の主人は軽い運動だからと、職場まで30分自転車をこぎますが、それは私にとっては結構なチャレンジです。 妊婦さんのためのヨガも、高齢者のためのヨガ(シニアヨガ、シルバーヨガ)もそうですが、「軽い運動を」と勧められる方々は、実際不安で一杯なのです。どこまでが軽い運動なのか自分では判定できないと思っているからです。 

ですから、セラピーとしてのヨガを提供するにあたっては、一人一人生徒さんに様子をたずねながら、「これぐらいならできそうですか?」「毎日続けなくていいですよ。」「ちょっときついと感じるポーズがあったら、どうか率直に教えて下さいね」というようなことを確認していく必要があります。そしてそれは、病院の問診ではないため、生徒さんが自分に心を開いてくれていない限り、その方が本当に辛くないところを聞き出すのは難しいのです。
なので本当は一番身近な方がヨガを教えてあげられるのが本当は理想的です。

ヨガセラピストの練習はポーズよりも身近な人との関係改善

ヨガセラピストとして大切なことは、ヨガのポーズが上手にできることではありません。むしろ、相手が何を期待しているかに耳を傾け、ヨガができることとできないことを相手の方がわかる言葉で伝え、その上で一緒になってその方の人生のQOLが高まるような運動療法や呼吸法を考えてあげられる人だと思います。
ですから、ヨガの勉強を猛烈にして資格を目指すことではなく、まずは自分の一番大切な人、ご両親かもしれませんし、伴侶の方かもしれません、お子様かもしれません、にその方が生きる希望を持てるようなヨガのポーズを一緒にやってみましょう、と側にいて心を支えてあげることだと思います。そして、きっと一緒にヨガをすることで、実は教えられる側だけでなく、教える方の心と身体も軽い運動によって解放される機会になるのです。実は、ヨガを教えることはスポーツジムで汗を流すより心と身体に健康的と言えるかもしれません。

もうひとつのメディカルヨガ第二回は「膠原病の方でも無理なくできる軽いメニュー」についてご紹介します。
2011.02.01 Tuesday 13:49 | 膠原病とヨガ | - | -