多発性硬化症の不定愁訴の改善にヨガ

メディカルヨガでも第26章(448ページ)に多発性硬化症のためのヨガが紹介されています。非常に難しい病気といわれるこの症状につきものの不定愁訴を改善するための事例が載っています。

私も先日、多発性硬化症で左の手足が思うように動かない12歳の女の子が自宅でお母さんと楽しめるヨガ・プログラムを一緒に考えました。 

「メディカルヨガ」は世界各国でヨガセラピーの手引きとして読まれている本ですが、これからヨガセラピーを学んでいきたいという方にお伝えしておきたいことがあります。それは、この本の中に出てくるポーズ = 各症例の処方箋 ではないということです。

先日、「二日酔いのためのヨガ」でも書きましたが(リンクしています)どのポーズが何に効く、という話ではないのです。ヨガを始めながら、普段の呼吸が深くなったり、運動の習慣がついたり、あるいはその日一日だけでも、心と身体をゆっくり休めることができたり、といったもっと複合的な効果として、ヨガは体調を整え、不定愁訴を緩和したり、自律神経の不調を整えたりすることができるのです。

実際にどんなポーズを続けていけるか、は、実際に生徒さんとゆっくり話をして、その生徒さんのフィットネスレベルを見ながら策定していくものであり、電話やメールで、これやこれをやればいいでしょう、というものではありません。ですからどんな身近な方でもいいので、まず直接お会いできる方が毎日続けられそうなヨガのメニューを組んであげることが、何よりの勉強であり第一歩だと思います。私たちが普段ヨガ教室でやっているこういうポーズも、実は大変なんだ、ということに気がつくことも、大きな学びです。

そして、特にお子さんの場合、お母さんや兄弟の方も一緒にできるようなプログラムとして覚えていただくのも大切です。理由は単純、一人でやるより、みんなでやった方が楽しいからです。

手引書は手引書として参考にしながら、これならできるかな、これはきついかな、と、生徒さんの顔をきちんと見ながらメニューを組んでほしいと思います。
「このポーズ、気持ちいいから好き」と笑顔で言ってもらえると、なんだか私の方が癒されてしまいます。

ちなみに、12歳の女の子のお気に入りのポーズは、お母さんと手をつなぎながら仰向けになり、ソファに足をあげて胸を開いて深ーく、ゆっくり呼吸するリストラティブのポーズでした。もう一つは、お母さんとイスに座って向かい合って、息を吸って胸を反らし、息を吐きながらおへそを見る、イスを使ったキャット&カウのポーズ。呼吸筋がほぐれて、深い呼吸ができるようになると、自律神経の働きも整ってくるよ。楽しみながら続けていこうね!
2011.02.13 Sunday 10:22 | 多発性硬化症とヨガ | - | -