子育てという深遠なるヨガ

息子が通っている幼稚園の園長先生のお話には、私がリストラティブヨガの恩師であるJudith Lasater先生から学んだことに通ずることが多いことに驚かされます。 

すべてがJudith先生の教えとリンクしているわけではありませんが、今日聞いたお話をご紹介させていただければと思います。 

 ◎印: 園長先生のお話 
 >>印 朋子所感 :ヨガの教えなどと関連して

お母さんがしっかりしすぎることは、子育てにとって逆効果のことの方が多いのです。 お母さんがしっかりしすぎると、子供にイライラするでしょう。子供にも厳しくなるでしょう。 聖書にこういう一節があります。 「頼りなく、偉くなく、心細い人は幸いです。神様が守ってくれるでしょう。 誰にも頼る気がなく、偉く、心細くなんかない人は、きっと神様も「勝手にやってみれば」と突き放すでしょう。」 

>> ヨガも、できる人より、できなくて、サポートが必要で、心細い人の方が恩恵を受けられると思います。 感謝して、頼ることを覚えることは、神様に守られることです。

◎子供を伸ばすのは温かさ。お母さんが冷たくなっていると、子供の芽が出ませんよ。 あったかくしてあげていれば、ちゃんと芽が出ます。

>> 時々、氷のように冷たくなる自分を反省・・ 

◎人間はありのままだとあたたかいんです。ありのままを取り繕うとするから、冷たくなっていくんです。 

>> リストラティブヨガのメッセージはあなたがすること(Do) よりも、あなたがあなたらしくいること(Be) を大切にしなさい、という教えです。そう、自分をよく見せようとしてしまうから、本来持っている温かさを失ってしまうのかもしれません。 

◎子供が責任逃れをするようになるのは嫌ですね。責任逃れは、無意識な自己防衛です。それは大人をみて子供が真似しているのです。人のせいにするのは時間の無駄です。その場から逃げてやり過ごすのではなく、自分がどうできるか、今どうできるかを考えられる子を育てられたらいいですね。 

>> 私個人は、あまり自信があるところはありませんが、息子にはトイレとか排水溝の掃除ができる子にしたいです。人生は、誰のせいでもなく汚れ穢れが出ます。それに向き合えない子になってほしくないのです。むしろ、他人が出した穢れも掃除できる人になれれば、きっと自分の弱い部分とも向き合える子になるのではないかと思っています。勉強ができなくてもいいとは思いません。就職できなくてもいいと思いません。だけど一番は、やっぱりちゃんと掃除をして、自分の汚したところをきれいにできる子になってほしいのです。人が掃除したくないところを、勇気を持って掃除できるというしつけは、きっと責任逃れをしないような気がするのです。 
ここだけは、どんなに怖いお母さんになっても、トイレ掃除をさせます。

◎いじめについて:ちょっとしたことならちゃんとはねのけて生きれる子にしましょう。それには、自分の足でちゃんと立てるようにすること。親が口出しをしすぎて、過保護にしないこと。親の顔色を見るのではなく、親に自分がどう思ったかを話せる環境をつくりましょう。別な言い方をすれば、親に話せなくなるような環境を作らないように。 

>> ヨガでも山のポーズの基本は自分の足でしっかり立つ意識です。(たとえそれが車いすだとしても、自分のお尻で堂々と座るのです)。また、自分の言葉で自分の想いをしっかり述べられることはサチュアという「真実を話す」という教えです。自分の気持ちを素直に話せなくなってくると、心は閉ざされ、人生の歯車がおかしくなっていきます。 

◎遊ぶことというのは、おもちゃを使うことじゃない。どこかに行って何かをみることでもない。人と人とが心を通わせ、笑顔になれば、それが本当の遊びなんです。お膳立てをして何かをさせること(Do) ではなく、ありのままの人と人が優しさを通わせること(Be) が遊びなんです。それは「この時間からこの時間、遊びましょうね」ということではなく、一瞬一瞬、笑顔を通わせることなんです。 

>> ヨガも、ポーズをとっているときだけがヨガではない。一瞬一瞬に丁寧に心を配っているとき(マインドフルネス:善悪の判断をせず、心からの優しさで目の前の状況を観察すること)がヨガなんです。マルチタスク(心ここにあらず)の状況ではそれはできません。 
私は、目交の育児、という言葉が好きです。息子と目とめを合わせ、大きく口を開けて笑いあっている時間が宝物だと思っています。指の間から、こぼれて落ちてしまうほど、きっと時間とともに色あせてしまうかもしれない儚い宝物です。

神様がお喜びになるような子を育てましょう。自分は神様が使わしたお道具です。 

>> リストラティブヨガでも、神様はきっと疲れた人間をみて悲しんでいます、と言います。しっかりやすむことは神様から与えていただいた権利であり、義務なのです。神様はよくやすみ、人に対して寛容になれる人のところに降りてきてくれます。

>> 神様が喜ぶ子ではなく、親が喜ぶ(自分に都合のいい)子にしようとしているとき、結局最後はイライラで終わります。私が妊娠したとき、私の生徒さんがとても素敵なメッセージを下さいました。先生、子供は自分の子供と思わず、神様からの預かりものだと思うといいですよ。そうすれば、腹が立つことも減りますよ。と教えてくださった意味が、今はよくわかります。(わかりながらも実践できていない自分を反省の毎日ですが、この言葉があるかないかで、私の子育ては大きく変わったと思います。M先生、ありがとうございます)
2012.11.26 Monday 17:29 | 産後うつとヨガ | comments(1) | trackbacks(0)

母さんヨギーからのメッセージ:孤独だと気づいたところからの出発

子供と親のアタッチメント(愛着)はとても大切ですが、ヨガが教えてくれるのは親子の絆だけではありません。ヨガをすることで私たちはいかに自分が孤独なのか、そして同時にいかに孤独ではないのかということを知ることができます。ヨガの語源は「つなぐ」ですが、相反するこの事実がどちらも真実であることを知り、つなぐことでもあるでしょう。

産後うつで悩む女性の多くが「自分は孤独だ」と思っていると言います。実際は孤独ではないこと、応援してくれる人がいることも見えなくなってしまうのですね。いや、実際は本当に孤独なのかもしれません。いろんなことが自分一人の肩にのしかかってくることも事実ですから。でも、最後は自分がいる、と思えれば自殺まで自分を追い込むこともなかったかもしれません。誰もいなくなっても最後は自分がいます。自分を抱きしめることができれば生きていけます。

マタニティヨガをやっていたお母さんの多くが、産後はヨガどころではない!と言います。そのはずです。赤ちゃんのお世話で外出なんて、自分一人の時間なんて持てないからです。でも、記事分を抱きしめるためにも、産後の女性にはぜひヨガを楽しむ時間を持ってほしいと思います。
そのためには、妊娠する前からぜひヨガに親しんでいただくのが理想です。
妊娠してからはマタニティヨガが楽しめますし、妊娠中の揺れ動く心も癒してくれます。
そして、長くヨガを続けていると、教室に通わなくても自宅でヨガをすることができるようになってきます。それが、産後の毎日をどんなに救ってくれるでしょう。
もしそれができなければ、マタニティヨガの先生に、自宅でもできるポーズをお土産ポーズとして教えてもらいましょう。

私の個人的なおすすめはキャットアンドカウ(猫と牛のポーズ)とイヌのポーズ、合踵のポーズでの深呼吸です。

四つん這いになって行うキャットアンドカウは赤ちゃんにいないいないバアをしながらやるとかわいい赤ちゃんが笑顔になります。
おしめを替える前に犬のポーズをしてちゃんと赤ちゃんの顔を覗き込むと、おとなしくなります(場合にもよりますが・・)
合踵のポーズになって赤ちゃんを背中から包み込むように座らせて深呼吸をしながら、お母さんの呼吸が深くゆっくりなっていくと、赤ちゃんも落ち着いていきます。

こんな簡単なことでも毎日やっていると楽しいものです。
ヨガ教室に通えなくなったからといってヨガをあきらめないでください。
日常のささやかな時間に自分を大切にする時間を持ってください。自分の好きな音楽を聴くもよし、パックをするもよし、脚の手入れをするもよし。
自分に慈悲をちゃんと与える。それこそがヨガの魂です。

(こちらはキャットアンドカウではなく、子供のポーズです。いたずらっ子には髪を引っ張られます!注意)


2011.08.21 Sunday 12:53 | 産後うつとヨガ | - | -