二日酔いのためのヨガ

最近日本語版が刊行されました「Yoga as Medicine」の著者であるティモシー先生のニュースレターに面白い記事がありましたので紹介します。 ヨガは二日酔いに効くのか?というテーマです。 アメリカでもやはり読者の興味は「どんなポーズが二日酔いに効くのか?」という点なのですが、ティモシー医師はこのような警鐘を鳴らしています。 

処方箋より大切なもの 

ヨガでよく行われるひねりのポーズが、いわゆる「絞って流す」というイメージのように、アルコールによる毒素を体外に排出する効果があるという科学的根拠は残念ながらありません。それをあたかもあるかのようにアドバイスしてはならないのです。 ヨガセラピーの本質は、ヨガで何かを治癒することではありません。セラピーにあたっては、患者さんが今の状態にある背景をかなり広範囲にわたって掌握することになります。どんな生活習慣なのか。どんなストレスが考えられるのか。どんな体質なのか。日常の運動はどれぐらいか。などなど。。 その上で、ヨガという適度な運動を通じ、また、自分自身を見つめ直す時間を提供することで、日常生活をより健康な方向に導くような気づきを与えられるかもしれません。 
ヨガが二日酔いに効果的だと言えるとすれば、それはツイスト(ひねりのポーズ)を含んだ様々なポーズが相乗効果を奏し二日酔いの諸症状である頭痛や吐き気、だるさなどを緩和できるということです。 

そうはいいながらも、実際二日酔いのときに太陽礼拝や逆転のポーズを行うのはかなりきついものです。頭がむくんでいるからです。ですから、頭をイスやブロックに預けた合踵の前屈のポーズや、イスの背もたれを活用した前屈や犬のポーズで普通のヨガのシークエンスを置き換えればいいでしょう。 具合が悪い時は子供のポーズや、壁やイスに足をあげるなどのリストラティブ系のポーズなどもやりやすいと思います。 

気を付けていただきたいのは、ホットヨガ、ビクラムヨガなどの高温下で行うヨガは二日酔いの脱水症状をさらに悪化させてしまうため、逆効果だということです。全身倦怠感などを回復させるにはむしろ軽いプログラムの方が効果的でしょう。 

 岡部流:二日酔いのシークエンス

 (1) 壁に足をあげてしばらく休む。吸う息より吐く息を長く、深い呼吸を心がける。
 (2) イスの前に向かい合い床に座る。踵と踵を併せて膝を割り、合踵のポーズをとり、上半身を股関節からイスにもたせかけ、おでこを座面に乗せてしばらく休む。 
 (3) 身体を起こし、床に座ったまま片手をイスの座面にかけ、息を深く吐き出しながら身体を軽く捻る。左右。 
 (4) 子供のポーズでさらに深い呼吸。 
 (5) 膝の下に枕や丸めた毛布を差し入れ、首の下に丸めたタオルを差し入れた、シャバアサナ。(リストラティブのシャバアサナ)
2011.02.01 Tuesday 13:18 | ヨガと二日酔い | - | -