抗うつ剤が身体から抜けるには

抗うつ剤の記事でも書きましたが

日本は世界でも有数の抗うつ剤処方社会です。
しかし、抗うつ剤が身体から抜けるには、投与された期間の倍の時間がかかるとのことです。
5年処方されれば10年、10年処方されれば20年・・・その回復期間の間に、鬱を再発してしまい、結局薬が心と身体を蝕んでいく、というサイクルに悩まされている患者さんが多いとのことです。

できるだけこのような副作用のない方法で鬱と生活を共生させながら回復を目指すことができたら・・・鬱状態でヨガ教室に通うなんて無理、という方でも自宅で始められるヨガがあります。
リストラティブ・ヨガ、というものですが詳しくは現在書店に並んでいるYoginiという雑誌の78ページをご覧下さい。

ヨガはソーマ・セラピーと呼ばれるものです。
これは、心の問題をカウンセリングで解決するのではなく(精神に直接アプローチするのではなく)だまされたと思って身体を少しいじってみたら、例えば大きく背伸びをして深呼吸をしてから、枕に身体を預けて胸を開いた状態でしばらく休んでみたら、不思議と心のもやもやが飛んでいった、というものです。
身体が気持ちよく感じると、心も気持ちよくなっていく、そういう考え方(ソーマサイコロジー:身体心理学)が今、アメリカでも補完・代替医療の現場で盛んに研究され始めています。
2009.07.03 Friday 07:01 | うつとヨガ | comments(0) | trackbacks(0)

うつと副交感神経

鬱症状の人の特徴として、心身ともにいつも緊張状態にあり、心も身体もこわばっていることがあげられます。落ち込んで気力がないように見えるのですが、実は交感神経が勝ってしまい、副交感神経がうまく働けていないのです。ヨガの呼吸は、副交感神経を活性化させ、自律神経の安定を助けます。交感神経は活性の方向、副交感神経はリラックスの方向に私たちをいざないます。

無理にヨガのポーズから始める必要はありません。まずイスに姿勢よく座り、鼻でゆっくり呼吸するという時間を持ってみましょう。たったこれだけのことでも、驚くことに私たちは普段する機会がないのです。ポイントは数時間よりも吐く時間をやや長くすること。一日一回、姿勢よく座ってみる。を奨めてみましょう。
2008.09.03 Wednesday 11:02 | うつとヨガ | - | -

ヨガがコルチゾールに与える影響

人はストレスを感じると、それに反応してストレスホルモンの一種であるコルチゾールを分泌します。ヨガによる深い呼吸は副交感神経の活性化によりストレスを軽減し、コルチゾール値を正常に戻す働きがあると言われています。

ここで、コルチゾールについて少しご紹介です。

どこで作られるの?
左右の腎臓の上にある「副腎」という臓器です。この臓器は内側と外側で出しているホルモンが異なります。外側のことを「副腎皮質」といいます。ここから出るホルモンは一つで様々な働きを持っているため、このホルモンが出過ぎると身体に様々な変化が強く表れてしまうのです。ちなみに、副腎の内側である「髄質」からは、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌されています。

いつ分泌されるの?
普通は朝の値が一番高く、夕方にかけて減少していくものです。
身体的ストレスや精神的ストレスを感じたときに分泌され、私たちを守ってくれているホルモンなのです。これなしに私たちにストレスがかかると、私たちは参ってしまうと言われています。また、コルチゾール値はブドウ糖や脂肪酸、タンパク質などの代謝を調整してくれます。この分泌リズムが崩れると、いろんな影響がもたらされます。

コルチゾールの罪
罪、というのが適切な表現かわかりませんが、コルチゾールの濃度が高いままでいる危険についてです。まず糖を蓄えようとする働きをもっています。これはインスリンと反対の働きです。コルチゾールが活性化すると、インスリンが逆の作用で頑張ってしまいます。糖尿病のリスクがどんどん高まっていくわけです。
また、免疫力を落とします。それから、カルシウムの吸収を阻害します。骨粗鬆症のリスクが高まります。食欲が異常に高まります。過剰カロリーが脂肪として蓄積しやすくなる、すなわち糖尿病や、心臓病の要因となる内臓脂肪の蓄積をあおります。不妊の原因にもなると言われています。
2008.08.31 Sunday 16:36 | うつとヨガ | - | -