米国でのメディカルヨガ研修が終わりました


2014.04.07 Monday 22:25 | ヨガ・セラピーにかける想い | comments(0) | trackbacks(0)

介護・医療の現場でのヨガを考えるワークショップ

9/22に行う介護 医療の現場でのヨガを考えるワークショップですが、日程が合わず参加できませんというお問い合わせを多くいただいております。ありがとうございます。本当はもっと力を入れていきたいワークショップなのですが、現在月に一回開催するのがやっとです。
http://medical-yoga.luna-works.com/cgi_schedule/webdir/53.html 
しかしながら、このワークショップは、たとえ生徒さんが一人でも、ずっと続けていきたいと思っています。一人でも多くのヨガの先生やセラピー、治療に携わる方々に「セラピーとしてのヨガ」という土壌を広めていっていただきたいからです。
今回もアメリカで学んできたことを生徒さんたちと一緒に考えていきたいと思っています。

実はパティシエの鎧塚さんが次のようなコラムを書いています。「・・・この時の「TOSHI MANDEL KRONE」は恵比寿の店の片隅で地味に売っている。大々的に宣伝をして売り出す気は全くないがどんなに売れなくなっても決して止めることはないだろう。」

うまく言えないのですが、きっとこのケーキ「トシマンデルクローネ」はきっと鎧塚さんの原点なのです。わたしにとっても医療とヨガを考えるワークショップは私の原点です。なのでずっと地味に続けていきますので、日程が合わない方もどうか翌月の日程をご覧ください。

(ちなみに、恵比寿で売っているこのケーキはとても美味しいです)
2011.09.17 Saturday 11:01 | ヨガ・セラピーにかける想い | - | -

ヨガセラピストとしてのプロフェッショナリズム

ヨガをセラピーとして、とりわけ病床の患者さんたちの心と身体の癒しに用いていくには私たちには今後さらなるプロフェッショナリズムを要求されていくでしょう。実際、ヨガセラピストという職業はまだ黎明期であり、日本でそれが普及していくかどうかはヨガセラピーを勉強しようとする私たち一人一人の肩にかかっています。私たちがきちんと学び、プロ意識を持って普及に努めていけば、きっといずれは病院や、ケアハウスなどでヨガが治療として定着していくことでしょう。 
ヨガセラピストという職業のプロフェッショナリズムとして、まず大切になってくるのが患者さんとの関係作りです。関係構築には3つの段階があります。「出会い」「つきあい」「お別れ」です。 
まず、出会いですが、患者さんであるクライアントがセラピストである皆さんを信じ、受け入れてくれること、これなしにどんなセラピーも始まりません。そして、患者さんが皆さんを信じる気持ちが達成をも助けてくれるのです。 
そしてセラピーという実践においてのおつきあいですが、これは両者が共同で実践に励む気持ちです。実践を通じ、きっと状況は変化し、そして願わくば改善していくことでしょう。 
そして、実践は何らかの理由で終わりを迎えます。出会いがあれば別れがやってくるものです。例えばカリキュラムが終了するかもしれません。クライアントが引っ越すかもしれません。あるいは、体調が変化し、セラピーをやめなくてはならなくなったり、もしかしたら死を迎えることもあるかもしません。それでも、私たちはただ真摯に前を向いて一生懸命正々堂々やってきたと言えればいいのだと思います。 具体的には書物や知識ではなく患者さんが必要としているものに集中し、心を込めて、聴いて、調べて、見つけてあげ、ヨガというセラピーの理解のもとに支えてあげること。そして、そのような試行錯誤を恐れず、トライアンドエラーを根気づよく続けていくこと、それこそがヨガセラピストとしてのプロフェッショナリズムのために大切なことだと考えます。
2011.07.16 Saturday 09:10 | ヨガ・セラピーにかける想い | - | -

ヨガと医学の関係についてこれほどわかりやすいコラムはありません

現在発売中のYogini(Vol28) の105ページに乳がん臨床医の新倉直樹先生の「ヨガを科学的に検証する」というコラムがあります。新倉先生とは時々電話会議でお話をさせていただいておりましたが、いつも話していただく「医学界とヨガをつないでいくためには」というテーマについて、そのまさに論点となるところをこれ以上ないというほどにまとめて書かれています。ヨガと医療の今後に興味のある方は、立ち読みでもいいのでぜひご一読を、と思います。
2011.07.06 Wednesday 07:00 | ヨガ・セラピーにかける想い | - | -

ヨガセラピーという新しい大陸

本年度ノーベル賞を受賞されたお二人の恩師であるブラウン教授の言葉。
「新しい大陸を見つけ・それを徹底的に探求し・永遠の楽観主義(Eternal Optimism)を貫こう」いい言葉だと思いました。

シニアヨガ、メディカルヨガという新しい大陸を、徹底的に追及し、きっとそれによって救われる人がいるはずだ、という思いを胸に頑張ろうと思いました。
2010.10.16 Saturday 04:25 | ヨガ・セラピーにかける想い | - | -

始めていかなくては:ヨガ療法を受けられる場所

いよいよ、行動しなくてはという気になったのは、先日見た男性更年期に関するテレビ番組に受けたショックからでした。その日のブログに書いていますが(リンクしています)ヨガ・セラピーを受けられることで、症状が軽くなる方、怪我や疾病を予防できる方、うつ病の悪化を防げる方、鬱から回復できる方、治療に前向きに取り組めるようになる方がいるはずですが、残念ながら日本の補完代替療法の領域におけるヨガの存在感はまだまだ薄いままです。

ヨガを補完代替療法として受けたいと思う人が、受けられる環境を立ち上げなくては。という想いから、思い切ってこのたび、ヨガ療法を教えていただける先生方にお声がけをし、9月後半からJR信濃町駅から駅3分のところにあるスタジオで、
  • 高齢者向けヨガ(転倒防止、要介護予防、五十肩、腰痛、椅子に座ったままできるヨガ、など)
  • 理学療法士によるリハビリのためのヨガ
  • 女性のホルモンバランスを整えるヨガ(更年期、不妊症、生理前症候群)
  • 男性のストレス、ホルモンバランスのためのヨガ(男性更年期、不妊治療)
  • 健やかな妊婦さんの毎日のためのマタニティ・ヨガ
  • 心が疲れている方向けリストラティブ・ヨガ
などを開講していくことにしました。新婚旅行直前の大仕事ですが、できることから始めていこう、そうすれば、少しでも誰かに届き、何かが変わっていくかもしれない、という想いで取り組んでいます。詳細をご案内できるのは9月になってからですが、ヨガを療法として安心して活用いただける環境をつくっていきますので、試してみたいと思われる方はぜひいらしてください。

ストレスに押しつぶされそうな心を無理にこじ開けるのではなく、身体が気持ちいいと思うことをしてみると、それが心や精神を回復させてくれる、これがソーマ・サイコロジー・セラピー(身体心理学に基づいたセラピー)です。

よちよち歩きで始めますが、どうか見守ってください。
2009.08.03 Monday 15:16 | ヨガ・セラピーにかける想い | comments(1) | trackbacks(0)

ヨガセラピストはスペース・クリエイター

ヨガを通じてヨガ療法を提供していくセラピストとして必要なことは、患者さんに空間をつくってあげられる、いわば「スペース・クリエイター」であることかと思います。

いろんなヨガがあります。ヨガを受ける方にとっても、受け止め方はまちまちです。
そんな中、
  • 患者さんの心と身体の中にスペースをつくる
  • 患者さんの心と身体の中のスペースをさわやかにしてあげる
  • 患者さんがもつスペースを優しく包み込んであげる
ことができたら、いいなあと思います。
2009.07.01 Wednesday 09:31 | ヨガ・セラピーにかける想い | comments(0) | trackbacks(0)

健康会計が導入されます

心の病に対する誤解

心身症の定義をご存知でしょうか。「身体疾患で、その発症や経過に心理、社会的因子が密接に関与している器質的ないし機能的な病態をいう。ただし、神経症や鬱病に伴った身体症状は除外する」日本心身医学学会(1991年)

ここで思うのが「神経症や鬱病に伴った身体症状は除外する」つまり、心の問題は心の病だけに特化して考えていいのでしょうか・・・という疑問です。

実際、心身症はとても広い領域にまたがっています。身体が絶好調ではない状態、つまり病気ではないが、いまいち、と感じられる状態のときに心のコンディションを少し良好にしてあげることができれば、身体の状態もぐっと良くなる可能性があります。
過敏性腸症候群(消化器系)や、筋収縮性頭痛、片頭痛(神経・筋肉系)、肩こり(整形外科)などごくごくありふれた病気の中にも、心の問題と言う視点からアプローチできる可能性がまだまだ残されています。アメリカでは「ソマ・サイコロジー(身体心理学)」として、いっそうの研究が進められている分野です。

心の問題は鬱病とか不安神経症といった病気と思い込まれています。
もちろん、そのような病気が存在することは事実です。しかし、一方で心の問題はもっと身近なものを含みます。

イライラすることは誰にでもあると思います。
イライラして、言ってはならないことを口走ってしまったり、手を挙げてしまったり。
あるいは、大学受験やスピーチなどで、大事なときに上がってしまったり。うっかりミスや不注意による事故なども集中力を欠いたことが原因の心の問題ですが、決して心が病んでいるわけではありません。また、女性では、PMS(月経前症候群)などホルモンで引き起こされる心の問題も存在します。

このような病気ではない症状について、メンタルヘルスの取り組みはいまだに難航しているようです。自殺者の数が年間3万人を超えた1998年から、自殺者の数が3万人を下ったことは一度もなく、各種調査結果も悪化しています。
厚生労働省を始め、各関係団体、学者、医療関係者たちが様々な取り組みをしてきました。精神科医の数も、カウンセラーや相談機関も充実してきているはずなのに、なぜ効果が現れにくいのでしょうか。
それは、心の健康の問題が「心の病人、病気対策」に限られていたからだと思います。
病気として診断されていない人々向けの現実的対策が講じられてこなかったからではないでしょうか。

早期発見は解決策にならない

病気は全般的に「早期発見、早期治療が一番」と思われています。
それゆえ、多くの企業が「従業員のメンタルヘルスも早期発見、早期治療を心がけましょう」と呼びかけています。しかし、どんな病気でも、早期であればあるほどその症状、そして症状の変化は微妙です。その微妙な変化を早期発見できれば、もちろん早期治療に取りかかることができるかもしれません。しかし、心の病の場合、早期発見、治療へ誘うこと、リハビリテーションなどは、家族や同僚、上司、友人、といったいわば医療という観点から見れば「素人」の集団にまかされています。
これでは、発見が成功する確率も低いはずです。
心の病の場合は、早期発見を呼びかけても難しいのです。
一般の疾病以上に、予防の発想が見事なまでに切り捨てられてしまっているのが、日本だけではなく世界中の心の病の現場の実情です。

また「自分だけは精神障害にならない」「鬱になるはずなどない」という誤解があることも事実です。私たちに命があり、心が活動している以上、故障は誰にでも起こりうることです。生まれてから死ぬまで、どうにもならないことも沢山あります。中でも、私たちが人と人との関係の中で生きているということ、自然の中に生かされている、という現実があります。太古の昔から、人は自然との共生、自然との調和に努力を重ねてきました。同様に、人と人との関係が良好にいっていれば、人はそこそこ幸せな気分でいられるものだと思います。しかし、現代人の生活には、この人と人との間で悩み、苦しむ要素がまだまだあふれています。それ故に、良好な心の状態をつくり、それを維持する努力が功を奏する余地がまだまだ残されている、とも言えます。

企業にとっては「戦略論」

また、例えば企業や学校など、集団・組織に所属する人の心の健康問題は、組織の戦略論というところまで及んでくるかと思います。
なぜなら、同じ仕事をするにしても「しょうがない」と言う気持ちで取り組むのと「よっしゃ」という気持ちで取り組むのでは、結果が全く異なってきます。また、組織ですから、働く人の心や感情の状態が反映された組織の雰囲気はその組織の文化となり、環境となり、全体のあり方を大きく左右します。

ですから個々人のレベルからも、企業の経営者からしても「気持ちが明るく晴れやかで、心がすっきりした状態」というものは、もしかしたら、お金をいくら積んでも手に入れたいもの、と言っても大げさではないかもしれません。

本題に戻りますが、ちょうどこの文章を書いているときに、ビジネススクールの先輩にお会いする機会がありました。そしてなんと、その先輩が最近本を上梓されたとのこと、「組織を守るストレスワクチン」

そして、その本の中で近い将来、日本にも「健康会計」が導入されることを知りました。
今後、社員の健康の健康維持、健康促進に積極的に取り組み、十分な体制を敷いていることをアピールしていくことができれば、会社のイメージは必ず向上すると思います。

これからの時代、働く環境がどういうものか、という領域で企業イメージを向上させることができるかどうかは、経営にとって重要な意味を持つようになるはずです。

そして、医療スタッフの心と身体の健康づくりにヨガを福利厚生として取り入れてくださっている、東京慈恵会附属大学第二病院の管理課の方々の先見の明に、あらためて深く頭が下がる思いがするのです。

どうか、病院に限らず多くの企業で、健康会計を意識した取り組みが始まっていってほしいものです。

2009.01.19 Monday 12:12 | ヨガ・セラピーにかける想い | - | -

嬉しいことがありました

このところ、ちょっと忙しくブログを更新できずにいましたが、先日とても嬉しいことがありました。
私がヨガを教えている病院では毎年地域の方々との交流を目的としたイベント(秋祭り)を開催しています。そこで、ヨガ・サークルの生徒さんが、地域の方々に私のクラスをもとにした「ぐっすり眠れる安眠体操」を紹介するコーナーを設けてくださいました。それだけでも嬉しかったのに、先週そのイベントが大盛況だったこと、時間帯を3つに分けたら、3回とも参加してくれた人もいたことなども聞きました。これは、あくまでも自立的、自発的なイベントで、地域の方々とヨガを通じて交流したのは私ではなくヨガをこれまで楽しんでこられた病院職員の皆様でした。

これが私が目指していたかたちだったのだと思います。私がヨガを学んだアメリカではどうやって普通の人がヨガを普通の人の生活に活かしていけるか、まずそれは取り組みやすさ、わかりやすさ、そして何よりも安全であることを大切にしています。Yoga Fitでは、それをヨガの公文式のようなかたちであらゆる世代の人々が学んでいくことができ、学んだ人がまた周りの人に安全に行なえるように教えていけるしくみになっています。

一方で、私が取り組ませていただいている「病院で働く方々の心と身体の健康」は、医療を受ける方々の安心にも大きく関係してきます。
その病院で、ヨガを学んだ方々が、まず地域の方々に紹介し、自立した活動を行っていく。
アメリカではヨガのもつ治癒的効果に注目が集まり、医療関係者やなんと国家機関保険会社の間でさえ関心が高まっています。私が勉強している分野はまさに、代替医療に役立てられるヨガなのですが、今回のような小さな事例ではありますが、医療のプロの方々にもヨガに対する関心と理解をもっていただくきっかけになればこんなに嬉しいことはありません。

まずは職員の方々が安心して楽しめるヨガに対する理解を深めていただき、そしてゆくゆくは患者さんにとっても、近代医学と補完するかたちでヨガが心と身体の治癒に役立てられる環境づくりを目指していきたいと思います。
先日ご紹介した乳がんだけでなく、腰痛、肩こりなど身近な症状の緩和や、糖尿病、HIV、更年期障害など、もっとヨガによって免疫力を高め、病気そのものだけではなく治療に取り組む心と身体を楽にしていく効果も期待されています。

そのためにも、今はYoga Fit の枠を超え、盛んに研究が行われているアメリカの最新情報を学んでいます。全て英語なので容易ではありませんが、嬉しい出来事に心から報われています。
 
2008.11.11 Tuesday 17:59 | ヨガ・セラピーにかける想い | - | -

本当にヨガを必要としている人たちへの普及

日本では残念なことに、本当にヨガを必要としている人たちに、あるいはヨガによってもっと毎日が楽になるであろう人たちにヨガを安全に普及していける環境が整っていません。また、本格的なヨガセラピーのインストラクターもほとんどいないかと思います。なりたいと思っている人、目指したい人はたくさんいるかもしれませんが、適切な教材も指導者もいませんでした。
私はシニア・ヨガからヨガを学び始めましたが、アメリカでセラピーヨガを学びこれから少しづつではありますが、普及に努めていきたいと考えています。
単なる美容やダイエットの目的を越えて、病気や怪我からの回復、健康な毎日のためにヨガを楽しみたい人に、安全なヨガを届けたい、また、適切な教材を日本語訳するプロジェクトを通じ、科学的根拠や専門家の英知を集結したヨガの良書を、日本のヨガインストラクターの方々や、医療、介護に携わる方々の手に届けられたらと思っています。


2008.08.18 Monday 10:50 | ヨガ・セラピーにかける想い | - | -