1000人が総立ちで拍手:ヨガ療法の研究を始めたインドの女性ドクターへ

シンポジウム3日目はすごい光景ばかり目にしました。

キーノートスピーチで、インドでヨガの医学的検証に関する研究をまだ黎明期から始められたShirley Telles博士(PhD)のプレゼンテーションがありました。
皆の期待が大きいのも、会場の雰囲気から伝わってきました。タイトルは
Yoga Research in India: Past, Present and Future  

ヨガの医学的検証がいつ頃から起こり、どういう研究機関が設立され・・どういう経緯で現在に至ったかについて、実に詳しく、中立的で、しかも客観的でわかりやすいプレゼンが終わった瞬間、耳が割れんほどの拍手に、世界から集まった(ほとんどがアメリカ)1000人の聴衆は総立ち(もちろん私も)、しばらくの間立ち尽くしていたのでした。

アメリカの医学界やNIH(国家保健機構)のヨガに対する関心の高さは、インドの伝統医学に対する心からの経緯と尊敬に基づいており、素晴らしい研究成果には国境にこだわらず評価を惜しまない、という現場を目の当たりにし、インドとアメリカをつなぐヨガという架け橋の丈夫さを感じました。

もう一つの感激は次のコラムで・・・

2009.03.16 Monday 09:56 | ヨガ先進国のアメリカでは | - | -

ハーバードの先生がまさか・・:ヨガの医学的検証のすごいプレゼンにて

もう一つの感動は、同じく皆の期待集まる
Sat Bir Khalsa博士(PhD)のメンタル・ヘルスにヨガが与える影響についての大まじめなプレゼンテーションだったのですが、

先生のプレゼンは、典型的アメリカ人が好むような、早口で軽快で明瞭でテンポよく、スライドの情報も実にわかりやすい、 

聞きながら「こういうプレゼンがアメリカ人の心を打ち、共通理解を深めていくんだから、かなわんな・・」と思いつつ、「陰影礼賛をわかりやすく解説し、このテンポでプレゼンしたら、アメリカ人も理解してくれるだろうか」なんてことを考えていました。

そんななか、プレゼンもサマリーにさしかかり、1000人の聴衆が期待する中、ターバンを巻いたインド人のハーバードの先生は、プレゼンの画面に大きく

Summery(結論として):

A lot of Study (ヨガと精神疾病の関連性についてたくさんの研究がなされ始めている)
New Disorder (一方で、新しい疾病も数多く見つかっている)

この3行。会場大爆笑、そして大きな拍手。だって、その通りだから。

そして、拍手が鳴り止まぬ中、

「私は、そして私のこれまでの研究を一言で表すにふさわしい言葉を見つけました。これは、私の研究だけでなく、この場にお集りの皆様方にとっても、共感いただけるはずです」

といって、出したスライドは・・・
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2009.03.15 Sunday 19:20 | ヨガ先進国のアメリカでは | - | -

ヨガをやってれば行きて帰って来れるはずだという仮説

Lucianno Bermardi 医学博士(イタリア)の素っ頓狂な研究

シンポジウムは休み時間も惜しいぐらい面白い研究に心奪われっぱなしでしたが、中でも登山ヨガを愛する私にとって、衝撃的だったのがこの発表。注目度も高いのは当たり前で、基調講演の一部でした。

呼吸と心臓血管の働きに関する研究 

ヨガの特徴である「深くゆっくりとした呼吸」によってトレーニングされたヨギーたちの換気効率は一般人より高い。それでは、もっと過酷な環境、すなわち空気の薄いところでは、ヨギーたちの培ってきた能力やヨガ呼吸はどう役立つか?ヨガを切り口にして、こんなにも多くの研究(しかも大まじめな)ができるとは・・ 

まず、教授は研究への参加者や学生たちを引き連れてネパールの5000メートル級の山まで登った。結果、陽性。ヨガによる換気能のアップは役に立つ。仏教徒とシェルパも同じ結果を治めた。 ではもっと過酷な状況ではどうだろうか? 

(えーっ!!また登るのぉぉぉぉぉぉぉ・・・)

もっと楽に呼吸ができるだろうか?「 山頂まで酸素を背負わずに到達し、生きて帰ってくる」

(酸素なしでいくの・・・、行きて帰ってくる?!?!?先生には怖いものがあるのだろうか)

エベレスト・ブートキャンプと呼ばれた次の実験(2004年5月)でも、見事仮説を検証し、ヨガをやっている人は高山でも効率的に呼吸をしていることを証明した。さらに、教授は登り続けたのです。Leadville, エチオピア、チベット、アンデス、ペルーなどでも同様の実験を行ないました。

結論:深い呼吸は心臓血管と呼吸の自律(Autonomic ) 調整を再びバランスすることができる 
この研究は、各界で高い評価を得ています。

先生のプロフィール
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2009.03.11 Wednesday 15:52 | ヨガ先進国のアメリカでは | - | -

ヨガが代替治療として認められる日

3/5-8 ロサンゼルスで行なわれた、ヨガ・セラピストの国際シンポジウムに参加してきました。何を隠そう、私も国際ヨガ・セラピスト協会のメンバーです。昨日帰国し、学んだ内容を忘れないようまとめています。追ってアップしていきますが、取り急ぎ。

ヨガ・セラピーとはなんぞや。と思われる方がほとんどでしょうか。
あるいは、何となく聞いたことがある言葉、ヨガとどう違うの?と思われる方もいるかもしれません。

ヨガの学術的研究が開始されてから、アメリカやインドではヨガ・セラピーという新しい領域が誕生しました。というか、あえて一般的なヨガと区別する意味で「ヨガ・セラピー」というジャンルが生まれたのです。(提唱者は、ベロニカ・Zadorさん、もと国際ヨガセラピスト協会の会長)

そして、ヨガが代替医療の一つとして、人々の健康に貢献できることを研究していく動きが始まりました。アメリカはこういう動きがとても速いのです。そして、今年は協会も20周年を向かえ、これまで発表された研究論文は数えきれません。
他の学問領域と同じように、医学博士や、心理学博士ヨガの専門家などが活発に論文を発表し、皆で研究成果を共有していこうとしています。

国際ヨガセラピスト協会はアメリカがリードしていますが、研究は世界各国から寄せられています。メンバーの占める割合は、アメリカが84%、カナダが6%、残り10%がその他です。今回も14カ国(カナダ、イスラエル、スウェーデン、インド、中国、日本、オーストラリア、エルサルバトルなど)からの参加がありました。

5日の午後は7つのグループにわかれて研究発表が行なわれました。私はシニアに参加しました (なにしろ、www.senioryogafit.luna-works.com なので)

しかし、会議の最中に大きなアクシデントが!
それについては、
に書きましたが、なんと、市からホテルへの電力供給がストップしてしまったのです。自家発電の電気を使いながら、セッションは続きましたが・・・、そしてオープニングセレモニーではティモシー先生の講演が予定されていました。あいにくスケジュールも大幅に狂い、プレゼンテーションも使えなかったのですが、そこはさすがティモシー先生、とても面白い話をしてくれました。下記に一部ご紹介します。
2009.03.10 Tuesday 12:37 | ヨガ先進国のアメリカでは | - | -

ヨガは薬か?

Yoga as Medicineの著者、Timothy McCall 先生の講演より

ヨガ・セラピーはプラスチック・ヨガであってはいけない。 生徒一人一人を見なければならない。 ヨガは有機体のままであるべきであり、存在する中でベストな解決方法である必要もない。他のものと、組み合わされてもいいものである。

なぜヨガを科学と呼ぶのが難しいのか。 それは、ヨガはプラスチックになり得ないから。
また、科学者は、事象を「標準化」していくことによって、それを科学にしていく。 しかし、ヨガ、とりわけヨガ・セラピーの世界では、標準というものをつくるのが極めて難しい。

なぜ現代の薬には限界があるか。たとえば、PMSに効くとてもいい薬があったとしても、たいていの患者は、その薬はダブルのブランデーで飲んでしまったりするのだ。 (ストレスをためたまま薬を飲むので、結局薬は効かず、本末転倒なのだ)

これに対し、ヨガは Happiness Based Medicine - 幸福感に基づいた薬 であるべきなのだ。 私たちの人生は、私たちの骨や筋肉だけでできているわけではない。 喜び、直感、自由、愛、思いやり、楽しみ、安らぎ、など、実にたくさんの要素が私たちの人生全体を形作っていることを忘れていはいけない(忘れているのが今の医学だ)

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シンポジウムの内容についてはまとめ次第ご紹介していきます。
2009.03.10 Tuesday 12:35 | ヨガ先進国のアメリカでは | - | -

ヨガセラピーの国際勉強会

5日から、ロサンゼルスにとんぼ返りです。
セラピーヨガ(ヨガを処方箋として統合医療の一環として活用していく動き)の国際カンファレンスで、数多くの授業が開催されます。

シニア年代と言われる方々だけではなく、怪我や疾病を患った方々や、既往症のある壮年期の方々も、ヨガを楽しめる環境づくりは可能であり、推進されていくべきだ、という理念のもと、毎年行なわれているカンファレンスです。

今年はボードメンバーの方々ともランチを共にする機会があるので、ようやく日本でも「Yoga As Medicine」の刊行が決定した旨の報告をしてきます。

この「ヨガ・アズ・メディシン」ですが、すでにアメリカだけではなく、5カ国語以上に翻訳され、世界のヨギー(セラピー系)たちの新しいバイブルとなり始めています。

ティモシー先生の書籍がヨガフィットのセラピーヨガクラスのテキストだったのをきっかけに、サンフランシスコに先生をたずね、日本語化の相談をしました。それから約一年、ようやく日本語訳プロジェクト、始まります。遅れがなければ(遅れると思います)この秋に刊行予定です。

今回のカンファレンスにも、ティモシー先生はいらっしゃいますが親不孝な私は、先生の授業はどれもとりません。なぜなら、今年一年、この本に付きっきりだからです。
先生、ごめんなさい!と言いながら、他の先生方の授業を受けてきます。
ティモシー先生、懐が深く、おおらかに勉強を奨めてくれました。

ということで、5日のフライトで同日の5日午前中にロス到着、5日の午後、6日、7日、とみっちり勉強し、8日早朝のクラスを受けて、8日昼のフライトで帰ってきます。
いままで、RYT 500をとるまでの間も、こんな生活を続けてきましたが、こんなフライトパターンも今回できっと最後。懐かしく、名残惜しく。。結婚前の最後の出張です。

下記、数多くのクラスから私が選んだクラスです。
腰痛に苦しむ方が多い日本の方々にも、安心して楽しんでいただけ、かつ腰痛の予防、改善に繋がるヨギックソリューション(ヨガ的な解決方法)を、教えていただけるインストラクターの方々を養成できるよう、勉強してきます。

実は今日も先生方を対象とした、シニアヨガのワークショップでした。学びたいときに、伝えられる環境づくり、これからも続けていきたいと思います。マンツーマンのクラスも、2人、4人、多いときは13人のクラスも、それぞれ特徴があって、どれも大好きです。

あらゆる年齢層、あらゆるコンディションの方々に、無理なくヨガをは可能です。アメリカでは始まっています。どうか、一緒に勉強していきましょう!

Thursday Common Interest Community Workshop #5 Seniors Carol Krucoff and Kimberly Carson

Friday Morning Practice Session #3 Yoga for Emotional Wellbeing Michelle Walsh Fri Luncheon Private luncheon with IAYT Board

Friday Track session 1.01: Structural: Yoga for osteoporosis: Proven and unproven Loren Fishman, MD with Ellen Saltonstall Friday Practice session #4 Yoga Therapy for Infertility Nataly Pluta, PT, YT, MBA 

Saturday Morning Practice Session #7 A Morning Back Practice Rich Panico, MD

Saturday Luncheon Private luncheon with IAYT Board 

Saturday Track session 2.03: Psychological The Neuro-Emotional Web: Gateway to Healing Bo Forbes, PhD Saturday Practice session #12 Prime of Life Yoga™ Larry Payne, PhD

Sunday Morning Practice Session #9 Therapeutic Yoga for Seniors Carol Krucoff and Kimberly Carson   
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2009.03.04 Wednesday 12:31 | ヨガ先進国のアメリカでは | - | -

ヨガインストラクターを守る保険

Yoga Fit に限らず、アメリカではヨガ・インストラクターが賠償責任保険に加入しているケースが珍しくありません。あってほしくはありませんが、クラスで何か事故が起きてしまったときにインストラクター人生をあきらめなくていいように、万が一に備え保険をかけておくわけです。
アメリカではそういう仕組みがあると知ってから、ずっと調査を続けていたのですが、やっと先日、日本でも、AFAA(Aerobics and Fitness Association of America) 経由で「団体総合補償保険」に加入できるという案内を見つけました。そこで、引き受け保険会社であるあいおい損保さんに電話をして聞いてみたのですが、そういう問い合わせは少なくないが、今のところ日本では、そのような保険、存在しないとのことなのです。
うーん。あれば入る入らないは個人の選択だけど、ないものは選べない。こういう保険があったらいいのに、というのをリクエストするには日本ではどうしたらいいんでしょう。保険会社の人は、同じような問い合わせは多い、と言っていました。
2008.08.17 Sunday 18:49 | ヨガ先進国のアメリカでは | - | -

州がヨガのガイドライン

California Yoga Teachers Association

http://www.yogateachersassoc.org/


アメリカでは州がヨガの教師たるものの倫理をまとめています。
http://www.yogateachersassoc.org/ethics/

それほどまでにヨガの指導に対する社会全体の意識が高いことには驚かされます。
2008.08.17 Sunday 18:46 | ヨガ先進国のアメリカでは | - | -

ヨガコミュニティの集結

Yoga Month Festival からのニュースレターのご案内です。
ヨガコミュニティが、国の健康問題のために集結しています。
Yoga Community Rallies to End National Health Care Crisis
多くのスポンサーと共に、アメリカではヨガ・コミュニティが国民の健康問題の解決に向け、団結し行動を起こし始めています。

Los Angeles, June 18, 2008
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2008.08.17 Sunday 18:35 | ヨガ先進国のアメリカでは | - | -

インドで生まれアメリカで発展し続けるヨガ

アメリカではヨガは、1990年代から有名人を発信源としてブームとなり、21世紀を迎えると一般の人々のライフスタイルとして定着しました。Yoga先進国ともいえるアメリカでは今やヨガは病院での予防・代替医療のメソッドとしての活用を期待されています。
2008.08.17 Sunday 18:34 | ヨガ先進国のアメリカでは | - | -